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遅さについて

田中功起(美術家)

AITの小澤慶介さんから、「東京事典」への出演依頼があり、「東京」について15分程度の話をしてほしいと言われた。でもぼくは「東京」よりも、もうひとつの「15分」という時間に着目する。15分という時間があればどこまで歩けるだろうか。15分では妻の実家から歩いて駅まで到着することができない。15分話すにはどのくらい内容が必要だろうか。A4三枚分の言葉を書き連ね、それについてゆっくり読むとどうやら15分程度になる。そしてそれは唐突に速度の話になるだろう。まずは効率良い速さを離れ、遅々とした思考を言葉にする。

言語:日本語

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